ゴイアニア事故に関しては、インターネット上でセンセーショナルな言説や誤った情報が拡散されることがあります。報道記録と科学的事実に基づき、代表的な誤解を是正します。
誤解1:原子力発電所の爆発事故と同種の事故である?
【事実】:原子炉事故ではなく「医療用放射線源」の盗難事故です。
チェルノブイリのような核分裂反応による炉心溶融や中性子線の放出ではなく、医療用照射装置の中に密封されていた放射性同位体(塩化セシウム137)が物理的に漏出した単一線源事故です。核爆発のような連鎖反応は起きていません。
誤解2:ゴイアニアの街全体が今も立ち入り禁止になっている?
【事実】:汚染された局所地域は完全に除染され、現在は通常の都市生活が営まれています。
ブラジル原子力委員会(CNEN)とIAEAによる徹底的な除染作業が行われ、汚染物質はすべてアバジア・デ・ゴイアスの最終処分場に隔離されました。現在の市街地の空間放射線量は通常の自然放射線レベルに戻っており、危険区域として封鎖されている地域はありません。
誤解3:プルシアンブルーを飲めば全員助かったのではないか?
【事実】:プルシアンブルーは内部被曝を低減する薬品であり、過剰な外部被曝による細胞死を止めることはできません。
プルシアンブルーは腸管内でセシウムを吸着して体外排泄を促進する特効薬として効果を発揮し、40名以上の患者の体内線量を約70%減少させました。しかし、すでに骨髄壊死や局所壊死を引き起こすレベルの致死的外部被曝を受けていた重症者については、組織破壊を回復させることは困難でした。