8年前、ステージ上の爆発事故で命を落としたはずの初代怪盗1412号。その死はあまりにも唐突であり、息子の快斗が父の足跡を追って二代目怪盗キッドを襲名する最大の動機となった。しかし、現実は違った。彼は生きていたのだ。
姿を隠し続けた最大の理由は、不老不死の力を秘めるとされる伝説の宝石「パンドラ」を狙う謎の組織からの追及をかわし、暗躍の主導権を握るためだったと推測される。自身が表舞台から消えることで敵の目を欺き、裏で組織の動向を監視する——その計算し尽くされたサイレントな立ち回りは、まさに世界最高峰のマジシャンにふさわしいトリックと言える。
だが、その代償は小さくなかった。息子である快斗に危険な裏稼業を継がせることになった点や、妻の千影との密接な連携など、黒羽家の裏には常に緻密な計算と冷徹なまでの美学が存在していたことが、最新のエピソードから浮き彫りになっている。