予備校の現場指導や受験生コミュニティ(SNS・知恵袋・合格体験談)の声を精査すると、バンザイシステムをめぐる光と影のリアルな実態が浮かび上がります。
取材に応じた大手予備校の進路指導担当者は次のように証言します。「毎年、バンザイシステムでA判定を取って油断し、二次試験の対策を怠って不合格になる受験生が必ず一定数出ます。逆に、共通テストで大失敗してE判定になりながらも、翌日から泣きながら過去問演習に没頭し、記述満点近い答案を作って旧帝大に逆転合格した生徒も見てきました。システムが見せているのは『過去の平均統計』であり、あなたの二次試験本番の点数ではありません」。
また、実際に不合格を経験した受験生の手記には、次のような痛切な後悔が綴られています。「駿台のデータネットでD判定、河合のバンザイでC判定だったため、『ワンチャンある』と自分に都合のいい情報だけを信じて出願してしまった。しかし二次試験の過去問との相性をまったく計算できておらず、本番で完敗した。判定のアルファベットではなく、何点差を二次で埋める必要があるのかを数字で直視すべきだった」。
ネット上の「E判定からの奇跡」という言葉は甘美に響きますが、その背後には8割以上の不合格者が存在します。逆転合格者は「奇跡を起こした」のではなく、「二次試験で勝てる合理的な根拠」を持っていたに過ぎないという実態を直視しなければなりません。