吸血鬼がさらに変異した巨大生物「邪鬼(オニ)」。その中でも、歴代最恐のトラウマモンスターとして名高いのが鉱山フロアに潜んでいた邪鬼「姫」です。
「姫」の造形は、巨大な百足(ムカデ)のような胴体に無数の裸の女性の身体が結合し、先端には巨大な人間の女性の顔が配されているという、極めてグロテスクかつ狂気じみたデザインをしています。暗闇の中から「ギギギ…」という不気味な鳴き声とともに迫り来るビジュアルは、読者に強烈な視覚的ショックを与えました。
松本光司氏が描くクリーチャーの真骨頂は、人体の持つ艶かしさと異形の怪異を融合させる点にあります。「姫」をはじめとする邪鬼たちのデザインは、エロスとタナトス(死)が同居した異様な生々しさを放っており、単なるモンスターパニックを超えたサイコホラーとしての凄みを物語に付与しています。