大手SNSやアニメ愛好家コミュニティ、知恵袋などの言論空間を定点観測すると、庵野秀明の次回作に対する世論は大きく2つの陣営に二分されています。
一方は、「エヴァを完結させ、ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーまでやり遂げたのだから、もう重圧から解放して休ませてあげてほしい」という作家の健康を最優先する擁護・安堵の声です。もう一方は、「日本のエンタメ界で独自の作家性と破格のスケールを両立できる監督は他にいない。ヤマトであれ完全オリジナルであれ、庵野の最新カットを映画館のスクリーンで見たい」という渇望です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
今後アナウンスされるであろう庵野秀明監督の次回作に対して、観客側にも適切な受け止め方のリテラシーが求められます。
大いに期待すべき人:昭和特撮や70〜80年代アニメの演出技法が、現代の最高峰デジタルテクノロジーによってどうアップデートされるかに関心がある層。巨大な組織描写やメカニックデザインの精緻さ、構図の快楽を純粋な映画体験として愛好できる人には最高のエンターテインメントになります。
過度な期待を避けるべき人:『旧劇場版Air/まごころを、君に』のような、痛々しいまでの精神的葛藤や自己否定のドラマを求める層。庵野監督はすでに自らの内省的な闇をエヴァンゲリオンと共に乗り越えており、再び自己破壊的なカタルシスを作品に求めるファンは、作風のドライさや再解釈の知的な構造に肩透かしを覚えるリスクがあります。