ネット上のQ&A掲示板などでは、「サロン代を節約するために、子犬のうちは自宅でバリカンを買ってセルフカットしたほうがよい」という意見が散見されます。しかし、これはプロの視点から見ると極めて危険な誤解です。
子犬の皮膚は人間の赤ちゃんの約3分の1の薄さしかなく、非常に柔らかいため、不慣れな人間がバリカンやハサミを使うと皮膚を挟み込んで切断・裂傷させてしまう事故が多発しています。自宅で行うべきなのは「カット」ではなく、日常のスキンシップを通じたハズバンダリートレーニング(医療・ケア動作への慣らし)です。
具体的には、以下の3つのステップを毎日短時間(1回2〜3分)行うことが推奨されます。
- 全身タッチの習慣化:耳の裏、口周り、足先、しっぽなど、トリミングで触れられる部位をおやつを与えながら優しく撫で、触られることへの好印象を形成する。
- スリッカーブラシとコームの感触慣らし:ブラシの背側(痛くない面)を体に当てることから始め、少しずつ毛先を梳かす練習を行う。引っかかった毛を力任せに引っ張るのは厳禁。
- 音と振動への脱感作:ドライヤーの弱風や、スマートフォンのバイブレーションを体に近づけ、機械の駆動音に対する警戒心を解いておく。