この現象の中核に位置する「野獣先輩」とは、2001年に制作された成人向けビデオ作品『真夏の夜の淫夢』の第4章に出演していた一般人男性の通称です。作品内での独特な演技や抑揚、印象的な台詞回しが電子掲示板「2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)」やまとめブログで切り取られ、やがて巨大なネットミームへと成長しました。
「いいよ!こいよ!」「冷えてるか〜?」といった台詞の数々は、構文としてネットスラング化。さらに、背景を透過させた「BB素材(ブルーバック素材)」としてネット上に配布されたことで、MADクリエイターたちが自在に動画を作成できる環境が整い、キャラクターとしてのアイコン化が急速に進行しました。元ネタとなった作品の性質上、極めて過激でセンシティブな背景を持ちながらも、文脈を削ぎ落とされた記号として消費されるネットカルチャーの特異性を象徴しています。