大さん橋ホールを訪れるにあたり、まず把握しておくべきは空間のスケールと基本レイアウトです。施設を運営する公式発表資料によると、ホール全体の床面積は約2,000平方メートル(幅約40メートル×奥行き約50メートル)に達し、内部に視界を遮る柱が1本も存在しない無柱大空間を実現しています。
イベントの開催形式によって収容人数(キャパシティ)は大きく変動します。スタンディング形式の音楽フェスや展示商談会では最大約1,500名〜2,000名、パイプ椅子などを並べるシアター形式(着席レイアウト)の場合は約800名〜1,200席が標準的な動員基準です。このキャパシティ設定において、来場者が最も直面しやすい課題が「座席からの見え方」です。
一般的な劇場やコンサートホールのような傾斜(段差・スロープ)が客席に一切なく、床面は完全なフラット(平土間)です。そのため、パイプ椅子がフラットに並ぶ着席イベントでは、後方ブロック(おおむね15列目以降)になると前の人の頭越しにステージを見ることになり、演者の足元や細かな表情が遮られがちです。ステージの高さが1メートル未満に低く抑えられている公演では、低身長の方や小柄な来場者の視認性が極端に低下する傾向が確認されています。
一方で、ステージ背面に設けられた大型ガラス開口部カーテンウォールは、この会場最大の魅力です。イベントの演出次第ではブラインドが開放され、正面に横浜ベイブリッジや行き交う船、夕暮れのグラデーションから漆黒の海に浮かぶ夜景へと移ろう絶景が広がります。「演者と夜景が重なる瞬間は、どの音楽専用ホールでも味わえない強烈なカタルシスがある」と評される理由がここにあります。