相方の木下隆行もまた、後輩芸人へのパワハラ騒動によって2020年に松竹芸能を退所していました。結果として、かつてキングオブコントのファイナリスト常連として鳴らした実力派コンビ「TKO」は、双方が不祥事によって古巣を追われる前代未聞の状況に陥ったのです。
木本が記者会見を開き、謝罪と事実関係の説明を行った2023年初頭、その背後で二人を再び結びつけたのは「芸人として舞台の上でしか恩返しも返済もできない」という強い覚悟でした。2023年以降、TKOはコンビとしての活動を本格再開。全国47都道府県を巡る単独ライブツアーを敢行し、チケットの手売りや会場設営に自ら携わるなど、かつての下積み時代を思わせる泥臭い現場作業を積み重ねました。
当時の特番インタビューや配信で語られた「舞台袖でお互いの顔を見た瞬間、情けなさと悔しさで声が出なかった」という木本の告白は、単なるパフォーマンスではない挫折の深さを物語っています。かつてのスマートで仕切りの上手いMC気質から一転、客席からの厳しい野次や自虐ネタをも受け止める泥まみれのスタイルへとシフトしたことで、劇場に足を運ぶお笑いファンの間では「コントの切れ味は失われていない」「やはり二人の掛け合いは別格」という再評価の声が着実に広がっています。