きつく縛ったはずの靴紐がなぜ簡単に解けてしまうのか。カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが行った有名な機械力学実験によると、歩行時に足が地面を叩く衝撃によって結び目が緩み、さらに足が前後に振られる際の慣性力(ムチのような力)が靴紐の先端を引っ張ることで、わずか数歩で一気に結び目が崩壊することが判明しています。
さらに見落としがちなのが、いわゆる「縦結び」になってしまっているケースです。蝶結びをした際にリボンが進行方向に対して縦に揃ってしまう状態は、結び目の摩擦面積が著しく低下しており、靴紐がすぐほどける理由の代表格といえます。縦結びの原因と直し方は極めてシンプルで、最初に紐を交差させた向きと、最後の輪っかをくぐらせる向きのバランスが合っていないことにあります。最初の交差で「右紐を上に重ねて潜らせた」なら、輪を作った後は「反時計回り」に紐を回して引き抜くことで、横一文字に美しく安定した蝶結びへと修正できます。