連載終了から長い年月が経過した今もなお、読書レビューサイトやSNS上では、最終巻の読後感を巡って熱のこもった意見が交わされ続けています。長大な戦いの果てに提示された結末に対し、読者はどのような感情を抱いたのでしょうか。
当時の連載をリアルタイムで追っていたオールドファンと、実写化を契機に一気読みした新規ファンの双方から、以下のような生の声が寄せられています。
「連載当時、海江田があっけなく撃たれた瞬間は頭が真っ白になった。あれだけの天才がなぜ死ななければならなかったのか納得がいかなかったが、大人になって読み返すと、海江田が自らの死をもって『思考のバトン』を世界に渡したのだと気づかされた」(40代・男性読者)
「潜水艦同士の息詰まる魚雷戦が最高だっただけに、後半の政治劇や国連演説は難解に感じた部分もあった。しかし、海江田の死後に深町が見せた表情に救われた。完全なハッピーエンドではないが、これ以上ないリアルな終幕だと思う」(30代・実写版からの読者)
読者の反応を総合的に検証すると、主人公が無敵の英雄として世界を統一して終わる勧善懲悪の快感を期待していた層からは、唐突な死に対する戸惑いや喪失感の声も見受けられます。一方で、多くの読者は、海江田が「殉教者」となることで自らの提示した理想を永遠の命題へと昇華させた構成の巧みさを高く評価しています。安易なカタルシスに逃げず、読者に強烈な宿題を突きつけたことこそが、本作が不朽の名作と呼ばれる最大の理由です。