受験生や保護者が最も注視すべきポイントは、公表されている「国家試験合格率」の表面的な数字ではなく、その裏側にあるストレート合格率(入学者が留年・退学せずに6年間で国家試験に一発合格する割合)です。
文部科学省が継続的に発表している各大学薬学部の修学状況データを見ると、第一薬科大学における標準修業年限(6年)での卒業率は、年度によって変動するものの概ね50%〜65%前後で推移しています。つまり、入学した学生の3人から4人に1人以上が、何らかの形で進級保留や留年を経験している計算になります。
この留年率の高さには、教育構造上の明確な理由があります。入学時点の偏差値が30台後半〜40台前半の学生層を一定数受け入れているため、高校数学や理科(化学・生物)の基礎学力にバラつきが生じます。一方、薬学共用試験(CBT・OSCE)や卒業試験、薬剤師国家試験は全国共通の高度な専門知識が問われます。
国家試験に合格する見込みが立たない学生を安易に卒業させれば、大学全体の合格率が急落するだけでなく、国家試験浪人を量産してしまうことになります。そのため、大学側は3年次から4年次、そして6年次の卒業認定において厳格な関門を設けています。この「妥協のないふるい落とし」こそが、ネット上で「留年率が高くてやばい」と騒がれる現象の構造的真実です。