リボンの持つアイコンとしての力は、カルチャーの歴史とも深く結びついている。オードリー・ヘプバーンが主演した名作『ティファニーで朝食を』のオープニングを思い出してほしい。ニューヨークの朝の光に映える洗練された佇まいには、無駄を削ぎ落としたエレガンスが宿っていた。白く端正なリボンがかけられた小箱は、時代を超えて女性たちの憧れの象徴であり続けている。
そして現在、そのクラシックな美意識は、ファッショントレンドの波に乗ってヘアアレンジの領域へと鮮やかに拡張された。ローポニーテールやお団子ヘアの結び目に、ダブル仕立てのリボンを一点添える。それだけで、寝癖を誤魔化すための日常的なまとめ髪が、クラシカルで品格あるスタイルへと跳ね上がる。甘すぎない大人のニュアンスを作る秘訣は、リボンの「足」をあえて長めに垂らすこと。歩くたびに背中で揺れるドレープが、映画のワンシーンのような余韻を残す。