近藤春菜の驚異的な反射神経は、角野卓造ひと筋にとどまりませんでした。彼女のビジュアルとキャラクターにインスピレーションを受けた共演者たちから無茶振りが相次ぎ、結果として近藤春菜のギャグ一覧は驚くべきバリエーションへと拡張されていきます。
その筆頭格となったのが、映画監督の「マイケル・ムーアじゃねーよ」でした。キャップに大柄な体型、丸メガネという記号が見事に一致し、海外の社会派巨匠を呼び捨てにするシュールな構図が若者層に大ウケしました。さらに、クッキーで知られる「ステラおばさんじゃねーよ」、ドリームワークスのアニメキャラ「シュレックじゃねーよ」、KFCの「カーネル・サンダースじゃねーよ」、狂言界の「和泉節子じゃねーよ」、世界的歌姫の「スーザン・ボイルじゃねーよ」など、国内外・実在架空を問わない全方位の展開を見せたのです。
特筆すべきは、いずれのレパートリーにおいても対象への悪意がなく、むしろ対象へのリスペクトと親近感がにじみ出ている点です。ステラおばさんの店舗を運営する企業から感謝の品が届くなど、近藤のツッコミは関わるすべてのブランドをポジティブに巻き込む特殊な磁場を持っています。