物語のクライマックスは、観客が抱くわずかな救いの希望を容赦なく打ち砕きます。ベルリンから強制収容所の隣接地区へと引っ越してきた8歳の少年ブルーノは、森を抜けた先にある「農場」のような場所で、同じ8歳のユダヤ人少年シュムエルと出会いました。鉄条網越しにチェッカー遊びや会話を重ね、ふたりは互いの置かれた過酷な境遇を理解しないまま友情を深めていきます。
事件が起きるのは、ブルーノの一家が収容所の過酷な環境を危険視した母エルサの強い希望により、再び引っ越すことが決まった直前でした。最後のお別れを告げに行ったブルーノは、シュムエルから「父親が数日前からいなくなった」と相談を受けます。親友への罪滅ぼしと冒険心から、ブルーノはシュムエルが調達した「縞模様のパジャマ(囚人服)」を着て有刺鉄線の下を潜り、収容所の内部へと足を踏み入れました。
しかし、そこで目にしたのはプロパガンダフィルムで描かれていたような「カフェやスポーツを楽しむ明るい楽園」ではなく、泥にまみれ衰弱した人々が監視兵に怯える地獄絵図でした。恐怖を覚えたブルーノが帰宅を望んだその瞬間、親衛隊(SS)による選別の笛が鳴り響きます。ふたりは群衆とともに長方形のコンクリート建屋へと押し込められました。
監視兵は受刑者たちに「ただのシャワーだ」と告げ、衣服を脱がせます。暗闇の中、金属製の扉が重々しく密閉され、天井の小窓から投入されたのは殺虫剤を起源とする猛毒ガス「ツィクロンB」。何が起きているのか理解できないまま、暗闇の中でブルーノとシュムエルは「君は僕の生涯の親友だ」と強く手を握り合いました。
息子の不在に気づいた父ラルフ(収容所長)と母エルサは、愛犬とともにフェンス際へ急行します。泥だらけの有刺鉄線の下に残されていたのは、脱ぎ捨てられたブルーノの衣服と靴でした。すでに稼働を終え、一切の物音が消え去ったガス室の分厚い鉄扉の前で、すべてを悟った父親は膝から崩れ落ち、雨の中で絶叫します。映画は、静まり返った収容所の扉を冷徹に映し出し、無音のエンドロールへと突入します。