データ全体の傾向を一言で言い表す指標を、統計学では代表値と呼ぶ。代表値の王道といえば「平均値(Mean)」「中央値(Median)」、そして「最頻値(Mode)」の3本柱だ。近代統計学の父と呼ばれるカール・ピアソンが「Mode」という概念を提唱して以来、この指標は分布の最も盛り上がっているピークを指し示す羅針盤として機能してきた。
平均値は全体の総和を個数で割るため、極端な外れ値に引きずられやすい。たとえば年収データに数人の大富豪が混ざれば、全体の平均は跳ね上がる。中央値は数値を小さい順に並べた中央の地点を示すが、どの値が最も多く発生したかまでは教えてくれない。そこで「最も多くの人が選んだ選択肢」や「最も頻繁に出現したサイズ」を直観的に捉えるのが最頻値の役割だ。靴の在庫管理や服のサイズ展開で平均サイズを発注すれば売れ残りの山ができる。必要なのは、まさに最頻値そのものだ。