世間が最も強い関心を寄せるのが、その莫大な財力です。週刊誌の直撃取材やSNSの暴露アカウントでは「個人資産50億円以上」「推定年収は3億円を超える」といった景気の良い数字が独り歩きしてきました。しかし、財務諸表や関連企業の申告所得を精査すると、新宿のドンファンの資産の実態は一枚岩ではありません。
実態としての資金力は、保有する新宿・大久保エリアの複数雑居ビルから得られる賃料収入がベースにあります。これに歓楽街関連ビジネスの配当が加わることで、好況期における新宿のドンファンの年収は手取りで1億円から1億5000万円前後に達していた時期があるのは事実です。しかし、その資産の大半は金融機関からの借入金やビジネスパートナーからの出資に依存しており、純資産ベースでは公称額の3割から4割程度にとどまるというのが、財務コンサルタントの冷静な試算です。
歌舞伎町のドンファンとしての派手な振る舞いは、自身の信憑性を高めて新たな投資話や富裕層人脈を引き寄せるための「広告宣伝費」としての側面を強く持っていました。最高級シャンパンのタワーや高級外車の乗り回しは、実態以上の資金力を見せつけることで夜の街での権勢を誇示する、計算された演出だったといえます。