彼女の魅力は特定ジャンルに収まらない。心温まる繊細なヒューマンドラマで見せる涙のリアリティもあれば、息をのむ緊張感が漂うサスペンスドラマで漂わせる妖艶かつミステリアスな気配もある。感情のグラデーションを巧みに使い分ける能力は、一朝一夕で身につくものではない。
「台本を読むとき、最初に感じるのは恐怖なんです」と彼女は明かす。「この人物の痛みを、私が本当に背負いきれるだろうか、と。でもその怖さがあるからこそ、逃げずに役と向き合える」。痛みを拒絶せず、役の苦悩すら自らの血肉に変える姿勢こそが、いかなる劇的状況においても観客を納得させる強固な説得力を生み出している。