天文学において「恒星間天体(Interstellar Object)」とは、太陽系以外の恒星系で誕生し、重力相互作用や恒星の終末現象によって母星系を弾き飛ばされ、恒星間の星間空間を何億年・何十億年も漂流した末に太陽系を一時的に通過する天体を指します。
太陽系内に存在する惑星、準惑星、通常の小惑星や彗星は、すべて太陽の重力に束縛された楕円軌道(軌道離心率 $e < 1$)を描いて公転しています。これに対し、太陽系外飛来天体を決定づける最大の証拠が「双曲線軌道(軌道離心率 $e > 1$)」です。太陽の脱出速度を遥かに超える猛烈なスピードで太陽系へ突入し、太陽の重力によって進路を曲げられながらも、二度と戻ることなく再び漆黒の銀河系空間へと飛び去っていきます。
国際天文学連合(IAU)は、これら未知の天体を識別するために「I(Interstellar)」という新たな識別符号を制定しました。遠く離れた別の恒星系でどのような惑星形成が行われていたのか、その物理的破片や化学組成を直接観測できる唯一のターゲットとして、世界の研究機関が最優先で監視を続けています。