渋谷駅がここまで複雑怪奇なダンジョンと化してしまった背景には、特異なすり鉢状の地形と歴史的な増改築の積み重ねがあります。
渋谷駅は谷底に位置しており、東側の宮益坂や西側の道玄坂に挟まれています。そのため、地上3階の高さに東京メトロ銀座線のホームがあり、地下5階の深海部に東急東横線・東京メトロ副都心線のホームが存在するという、高低差約30メートルにも及ぶ立体交差が生み出されました。
さらに、2010年代から続く長期再開発工事により、通路の付け替えや改札口の移転が頻繁に発生。昨日まで通れていたルートが翌週には閉鎖されているといった事態が日常茶飯事でした。2026年現在、主要ビルの骨格がつながり歩行者ネットワークの全貌が見えつつあるものの、案内板の情報量過多と激しい人の流れが、依然として多くの利用者を迷路へと誘い込んでいます。