近年、消費者庁や農林水産省は、インターネット通販やふるさと納税の普及に伴い、産地直送貝類の表示確認を改めて消費者に強く呼びかけている。全国の自治体や保健所が公表する抜き取り検査の現場でも、パッケージの確認不足による家庭内事故が後を絶たない。
パックのラベルには、食品衛生法に基づいて「生食用」または「加熱用(加熱調理用)」の明記が義務付けられている。だが、高級ブランド銘柄や美しい木箱に入った贈答用の牡蠣であっても、「加熱用」と書かれているケースは多々ある。高価=生で食べられる、という思い込みは極めて危険だ。
また、近年の海水温変動や気候変動により、ノロウイルスの検出パターンも昔とは変化を見せている。水産業界では、陸上養殖技術の導入や閉鎖循環式ろ過システムを用いた次世代の安全管理が模索されているが、一般家庭での最終防壁は「ラベルを正しく読み、用途を守る」という消費者自身の行動に他ならない。