家庭でキャベツと卵の中華風炒めを作った際、お皿の底に水分が溜まって味が薄まってしまった経験は誰しもがあるはずです。料理研究家や調理科学の知見によれば、キャベツが水っぽくなる主因は「加熱時の浸透圧」と「フライパンの温度低下」の2点に集約されます。
まず、キャベツの水分含有量は全体の約92〜93%と非常に高く、塩分(塩、醤油、顆粒だしなど)に触れると浸透圧の働きで一気に細胞膜から水分が外へ染み出します。炒め始めの段階で調味料を投入してしまうと、キャベツが「炒め物」ではなく自身の水分で「煮物」の状態になり、シャキッとした食感が完全に失われてしまいます。
さらに、冷たいキャベツと溶き卵を同時にフライパンへ投入すると、家庭用コンロの熱量ではフライパンの表面温度が急激に低下します。その結果、水分が蒸発する前に素材から染み出し、卵がその水分を吸ってドロドロとした塊になってしまうのです。