発掘の報を受けて、工事は一時中断を余儀なくされた。一刻も早い竣工を望む開発事業者と、完全な調査を求める研究者陣。現場は一触即発の空気に包まれた。
ゼネコンの現場監督は苦渋の表情を浮かべる。「1日の遅延がどれほどの損失を生むか。だが、出てきたものがものだけに、単に砕いて埋め戻すわけにはいかない。現場の胃が痛む毎日ですよ」。
しかし、事態は思わぬ方向へと展開する。事業主である大手不動産コンソーシアムが、発掘された遺構をそのまま地下ミュージアムとして保存し、上層階に最先端のAI研究施設を併設する「融合型ビル」への計画変更を打診したのだ。この土壇場の大逆転劇に、業界内からは驚きの声が上がった。