大手SNSや知恵袋、Q&Aサイトに寄せられる「食事中の他人の仕草」に関する投稿を分析すると、ナイフやフォークの使い方に対する一般の視線は年々シビアになっています。高級レストランに限らず、カジュアルなカフェやバルでの食事であっても、周囲は想像以上に同伴者の手元を観察しています。
「会社の同僚が、フォークを上からわしづかみにしてハンバーグを突っついていて、一気に恋愛対象から外れた」「結婚前の両親の顔合わせで、パートナーがフォークとナイフでお皿をキィキィ鳴らして冷や汗をかいた」といった手記や告白は枚挙にいとまがありません。一方で、「左利きなので右手でフォークを持つが、所作が滑らかなので育ちが良いと褒められた」という声もあり、重要なのは左右の厳格なルール遵守よりも、「動作の静けさと清潔感」であることが伺えます。
都内星付きフレンチのチーフソムリエは現場の空気感を次のように語っています。
「お客様がどのような持ち方をされているかをスタッフが審査することはありません。しかし、ナイフとフォークを正しく扱えているお客様は、カトラリーとお皿がぶつかる音を一切立てず、会話のリズムも崩れません。マナーとは形ではなく、同席者や空間に対する思いやりそのものなのです」