インテリアの潮流は、派手な装飾を削ぎ落としたミニマリズムから、温かみのあるクラフトマンシップと個性が同居するスタイルへと移行している。その中核にあるのが、北欧モダンとミッドセンチュリーのデザイン哲学だ。
デンマークの巨匠ハンス・J・ウェグナーが手掛けた名作家具を見れば明らかなように、優れたソファーは360度どこから眺めても美しい。背面から見た木製フレームの流れるような接合部、無駄のないプロポーション。これらは壁際に押し込むだけでなく、リビングとダイニングを緩やかに区切る「部屋の顔」として配置されたときに真価を発揮する。
木や石、リネンといった自然素材を重ね合わせ、普遍的な造形美を日常に取り入れるアプローチは、年月を経ても色褪せることがない。トレンドに左右されないタイムレスな1台をリビングに迎え入れることは、日々の視界に上質なアートを置くことと同義なのだ。