相楽伊織というタレントを語る上で欠かせないのが、乃木坂46加入直後に経験した「約1年半の活動休止(待機期間)」という類を見ない経歴です。2013年3月に2期生オーディションに合格したものの、当時在籍していた高校が芸能活動を禁止していたため、学業優先の観点から即時活動が叶いませんでした。
同期が次々とデビューを飾り、メディアに露出していく中で、彼女はレッスンだけを黙々と続けながら高校卒業を待ち続けました。2014年6月、10thシングル『何度目の青空か?』の選抜発表の場で電撃的に合流が発表され、初登場にして選抜入りを果たすというシンデレラストーリーを歩み出します。しかし、この「遅れてきたスタート」は、彼女の心に常に「自らの足で立つ表現者でありたい」という強い覚悟を芽生えさせることになりました。
選抜やアンダーでの経験を重ね、2018年7月にグループを卒業した際、公式ブログやインタビューで明かされた卒業理由は「モデルや女優など、個人としての夢に向かって挑戦するため」でした。一部で囁かれた「不仲説」や「運営との対立」といったネガティブな噂は事実無根であり、当時の特番や卒業セレモニーで見せた同期・1期生たちとの涙の抱擁が、彼女がグループ内でいかに愛されていたかを物語っています。自らの可能性を信じ、狭き門である役者・モデルの世界へ単身飛び込むための、極めて前向きな決断でした。