インターネット上の掲示板やSNSでは「シアターモリエールはどこからでも見やすい」という書き込みが散見されますが、劇場の構造を詳細に分解すると、見逃せない盲点が浮き彫りになります。
最大の注意点は、前方列(A列〜C列付近)がフラットな床面(平場)に配置されている点です。小劇場特有の舞台床の低さと相まって、もしB列やC列の中央に座り、真正面のA列に体格の良い観客が座った場合、センター奥の演技ポイントが完全にブラインドとなる「頭被り」が頻発します。「前方のチケットが当たったから安心」と油断していると、前の人の頭の間から覗き込むように観劇せざるを得ない状況に陥るリスクを孕んでいます。
また、満席公演で追加される補助席(パイプ椅子席)の存在も重要なチェックポイントです。通路沿いや最後列後方に急遽配置される補助席は、座面のクッション性が極めて薄く、座席間隔(シートピッチ)も極めて狭小です。背もたれが直角に近いパイプ椅子に100分〜120分座り続けることは、体格や腰痛持ちの方にとってはかなりの試練となります。チケット券面に「補助席」「立ち見引換」と明記されている場合は、あらかじめ長時間の着座に対する心構えが必要です。