痛む腕に対して多くの方が最初に行うのが湿布の貼付やストレッチですが、痛みのメカニズムを誤認した対処は逆効果を招く場合があります。
腕の筋肉痛への湿布の選択(冷やすか温めるか)において、最も多い誤解が「冷感湿布は筋肉を冷やし、温感湿布は温めている」という思い込みです。市販の湿布に含まれるメントール(冷感)やカプサイシン(温感)は皮膚の感覚神経を刺激して清涼感や温感を与えているだけで、筋肉の深部温度を大きく変えるわけではありません。
明確な腫れや熱感を伴う急性炎症(打撲、筋腱の急性断裂、スポーツ直後の筋肉痛)には、物理的な氷嚢などを用いたアイシングが有効です。一方、長時間の同一姿勢やデスクワークによる腕の筋肉の張りへの対処法としては、入浴やホットパックで血流を促し、組織の柔軟性を取り戻す温熱アプローチが適しています。
さらに注意すべきは、腕の痛みにストレッチを闇雲に行うリスクです。もし痛みの原因が頸椎症による腕の痛みであった場合、首を回したり腕を無理に引っ張ったりする伸展運動は、狭小化した神経の通り道(椎間孔)をさらに圧迫し、神経損傷を悪化させる危険性があります。しびれや鋭い電撃痛が走る状態での自己流ストレッチは絶対に避けてください。