将棋の長い歴史において、羽生善治九段が打ち立てた記録群はまさに異次元の領域に達しています。歴代タイトル獲得数ランキングにおいて、羽生九段の「通算99期」は2位の大山康晴十五世名人の80期、3位の中原誠十六世名人の64期を大きく引き離す歴代単独トップの数字です。
タイトル戦への登場回数は通算138回に及び、そのうち99回で勝利を収めてタイトルを奪取・防衛してきました。獲得率は驚異の約71.7%に達します。この圧倒的な数字を支えた象徴的な出来事として、将棋史に永遠に輝く2つの大記録が挙げられます。
1つ目は、1996年(平成8年)2月に達成された「七冠独占」です。当時存在していた全7タイトル(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖)を一身に集めた瞬間は、一般メディアでも連日トップニュースとして報じられ、社会現象を巻き起こしました。
2つ目は、2017年12月の「永世七冠」達成です。第30期竜王戦でタイトルを奪取したことで、規定が存在する7つのタイトル(永世名人・永世竜王・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世王将・永世棋聖)すべての永世称号資格を獲得。この前人未到の偉業が評価され、2018年には棋界初となる国民栄誉賞を受賞しました。