一部のネットコミュニティやSNS上では、「おやすみ世界」という刺激的なタイトルやアンニュイな曲調から、「自暴自棄な結末を描いたバッドエンドの曲ではないか」という極端な解釈が散見されます。しかし、これは楽曲の全体像を見落とした誤解と言わざるを得ません。
歌詞の各連を論理的に追っていくと、主人公が拒絶しているのは「生きることそのもの」ではなく、「他人の期待に応え続けなければならない理不尽なシステム」であることが明確に分かります。「世界をおやすみさせる」という逆転の発想は、自分が消えるのではなく、自分を苦しめる世界の方を一時的に眠らせて黙らせるという、ある種の力強い主体性の回復なのです。
また、「歌い手の過去の実体験がそのまま元ネタになっている」という噂についても、インタビュー等の発言を精査すると、特定の私小説的ストーリーというよりは、現代を生きる不特定多数の孤独な夜の集合体を丁寧にサンプリングして構築されたフィクションであることが判明しています。