規制対象となっている成分の代表格が、メチルエフェドリン塩酸塩とプソイドエフェドリンです。いずれも生薬「麻黄(マオウ)」に含まれるアルカロイドであるエフェドリンの誘導体であり、交感神経を興奮させるアドレナリン作動薬としての性質を備えています。
メチルエフェドリン塩酸塩効果の最大の特徴は、気管支平滑筋のβ2受容体に作用して気道を広げ、激しい咳や喘鳴を速やかに鎮める点にあります。そのため、「エスエスブロン錠」や「パブロンSゴールドW」など、古くからドラッグストアの定番として並ぶ指定第2類医薬品エフェドリン含有製剤に広く配合されてきました。一方のプソイドエフェドリンは、鼻粘膜の血管を収縮させて充血や腫れを取り除く作用が強く、鼻炎薬や総合感冒薬に重宝されています。
問題は、これらの成分が血液脳関門を通過して中枢神経系を直接刺激することです。用法・用量を守れば極めて有益な治療薬ですが、規定量を大幅に超えて摂取すると、覚醒感や疲労感の消失、一時的な高揚感(多幸感)をもたらします。これがエフェドリン副作用と依存性の入り口となり、次第に耐性が形成され、同じ効果を得るために摂取量が雪だるま式に増えていく危険なメカニズムが存在します。