世間でまことしやかに囁かれる「鼻が大きい人=お金持ち」「鼻が大きい人=性欲が強い」というイメージ。この二大俗説の出どころを追跡すると、単なる迷信で片付けられない東洋哲学と生物学的な共通項が浮かび上がってきます。
古代中国を発祥とする人相学(観相学)において、鼻は「財帛宮(ざいはくきゅう)」と呼ばれ、その人の財運、資産管理能力、人生の収穫期を占う最も重要なパーツとして位置づけられてきました。人相学と金運の真相を探ると、鼻の頭(準頭)に適度な丸みと肉づきがあり、小鼻(金甲)が左右に力強く張っている形状は、自力で富を引き寄せ、それを逃さず蓄える「大財の相」と定義されています。実際、昭和から平成、令和に至る歴代の成功者や財界人の顔ぶれを振り返っても、小ぶりで線の細い鼻立ちより、顔の中心で圧倒的な存在感を放つ鼻を持つ人物が圧倒的多数を占めているのは興味深い事実です。
一方、性欲が強いと言われる理由には、呼吸器系とホルモン分泌の相関関係が存在します。鼻腔が広く鼻梁が高い骨格は、一度に大量の酸素を取り込む能力に優れており、これが心肺機能の強さや基礎代謝の高さ、ひいては強靭なスタミナに直結します。テストステロンをはじめとする性ホルモンは骨格形成を促す作用があり、思春期における骨の発達が顕著な人ほど鼻筋が太く大きく発達しやすい傾向が指摘されています。「鼻が大きい人はタフで情熱的」という世評は、生命力に満ち溢れた身体的特徴を本能的に見抜いた先人たちの経験則と言えます。
これらに付随して語られる鼻が大きい人の性格と特徴は、極めて能動的で意思が強い点に集約されます。自己主張がはっきりしており、逆境に直面しても他人に依存せず自力で道を切り拓くリーダー気質を持ち合わせます。反面、強いこだわりが頑固さとして映る場面もありますが、目標に向かって猪突猛進する馬力は組織やビジネスの現場で強大な推進力となります。鼻が大きい人の恋愛傾向においてもその気質は色濃く表れ、相手をぐいぐい引っ張る主導権を握りたがり、一度火がつくと一途かつ情熱的に愛情を注ぐハンター気質を秘めています。