歴代流行語大賞一覧と激変の真相!あの言葉の誕生秘話とその後を追う

歴代流行語大賞一覧と激変の真相!あの言葉の誕生秘話とその後を追う

歴代流行語大賞一覧と激変の真相!あの言葉の誕生秘話とその後を追うにまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

「あのフレーズを口にしていた頃、自分は何をしていただろうか」――流行語を振り返る行為は、個人の記憶と社会の歴史を重ね合わせる精神的なタイムトラベルに他なりません。1984年に自由国民社が創始した「新語・流行語大賞」は、当初「新語部門」「流行語部門」に分かれて金賞を選出していましたが、1991年から一本化された「年間大賞」システムへと移行しました。

創設初期の昭和50年代末からバブル期にかけては、「オタク族」「新人類」(1984〜1986年)といった新興の若者文化やライフスタイルをラベリングする言葉が脚光を浴びました。1989年のバブル絶頂期には「24時間タタカエマスカ」という企業戦士を鼓舞するCMコピーが年間を通じた合言葉となり、経済的熱量と言語が完全に同期していた時代と言えます。

しかし、バブル崩壊後の平成期に入ると世相は一転します。1994年の「同情するなら金をくれ」(安達祐実主演『家なき子』)に象徴されるように、人々の渇望や社会の冷徹さを抉り出す言葉が支持を集めました。1990年代半ばから2000年代にかけては、女子高生カルチャー主導の「チョベリバ」「チョベリグ」、さらには小泉劇場の熱狂を煽った「政権交代」「どげんかせんといかん」など、政治と芸能がワイドショーを通じて大衆を巻き込む巨大な渦を作り出していきました。

2010年代以降、スマートフォンの普及とSNSの浸透によって言語の伝播経路は激変します。テレビドラマ発の「倍返し」(2013年)やスポーツ界の結束を象徴した「ONE TEAM」(2019年)、記録的快挙を讃えた「村神様」(2022年)、阪神タイガースの悲願「アレ(A.R.E.)」(2023年)、そして昭和と令和の価値観ギャップを突いたドラマ発の「ふてほど」(2024年)に至るまで、流行語の誕生秘話には常に「分断された社会でいかに共感の接点を見出すか」という時代の命題が横たわっています。

ここで重要なのは、大賞受賞語が辿る「2つの運命」です。「セクシャル・ハラスメント(セクハラ)」(1989年)や「ワンオペ育児」(2017年ノミネート)のように、社会問題を可視化して普通名詞として完全に定着した言葉が存在する一方で、特定のギャグや一過性のブームは消費され尽くして急速に姿を消していきます。言葉の定着率は、その言葉が「構造的な社会課題の解決に寄与したか否か」という一点に冷酷なまでに比例しています。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。