インターネット上で流布している不動産価格の情報には、専門用語の混同や制度の誤解に基づく危険な言説が散見されます。代表的な2つの誤解を正しておきましょう。
誤解1:「公示価格以下で売却すると税務署から追徴課税される?」
ネット掲示板などで「公示価格を下回る金額で土地を売ると、みなし贈与と判定されて買主に贈与税がかかる」という言説を見かけることがあります。しかし、これは明らかな誤解です。個人間取引において、著しく低い価額(いわゆる低額譲渡)で売買された場合に贈与税の課税対象となるのは、「親族間や関連会社間など、特別な関係にある者同士の取引」が原則です。赤の他人同士が市場でオープンに売りに出し、売れ残った結果として公示価格より安く成約したとしても、それが正当な市場競争の結果である限り、みなし贈与に問われることはありません。
誤解2:「固定資産税の評価が高いから高く売れるはず?」
「毎年送られてくる固定資産税の納税通知書に記載された評価額が高いから、売却時も高値がつくはずだ」と期待する売主がいます。しかし、固定資産税評価額は前述のとおり「3年に1度の見直し」であり、しかも画一的な評価基準に基づいています。崖地や浸水ハザードマップにかかる地域、あるいは急激に人口が流出している限界集落周辺では、固定資産税評価額が500万円とされている土地であっても、実勢価格では「タダでも誰も引き取らない」という負動産化現象が起きています。公的な税金計算上の数字と、市場の換金価値は完全に切り離して捉えなければなりません。