マイホームを購入した現役世代の会社員から頻繁に寄せられる疑問が、住宅ローン控除との併用に関する不安です。「住宅ローン減税で住民税がすでに引かれていると、ふるさと納税の枠がなくなってしまうのではないか」という懸念です。
結論から整理すると、両者の併用自体は可能ですが、申請方式によって控除の引き出され方が異なります。住宅ローン控除は、まず本人の「所得税」から直接差し引かれ、所得税から引ききれなかった分が一定の上限(前年課税所得の5%または最高9.75万円など、制度適用年度により異なる)の範囲内で「住民税」から引かれる仕組みです。
ここでワンストップ特例を利用した場合、ふるさと納税の控除は全額が「住民税」から差し引かれます。住民税において、ふるさと納税(寄附金税額控除)は住宅ローン控除よりも先に計算されるルールになっているため、ふるさと納税の枠が住宅ローン控除に喰われて消失することは基本的にありません。ただし、住民税から控除できる住宅ローン控除の枠が小さくなってしまい、結果として住宅ローン控除の枠を使い切れないケースは理論上起こり得ます。
自身が行ったふるさと納税が正しく税額控除されたかどうかは、机上の計算ではなく、実際に自治体から届く公的書類で確かめる必要があります。それが毎年5月中旬から6月にかけて勤務先から配布される「給与所得等に係る市民税・県民税 特別徴収税額の決定・変更通知書」です。この住民税決定通知書の控除確認方法を習慣化していない会社員は、失敗にすら気付くことができません。
通知書を手に入れたら、摘要欄または「税額控除額」の項目を凝視してください。自治体によってレイアウトは異なりますが、市民税と県民税の控除額が合算、あるいは個別に記載されています。確認の計算式は極めて明快です。
【確認の計算式】:(通知書に記載されたふるさと納税の税額控除額)=(前年寄附した総額)− 2,000円
※確定申告を行った場合は所得税側で数千円が還付されているため、「所得税の還付額+住民税の控除額=寄附総額−2,000円」になっているかを検証します。もし通知書の税額控除額が寄附総額に対して明らかに不足している場合、ワンストップ特例の書類不達や確定申告時の記載漏れが生じている証拠です。速やかに居住地を管轄する市区町村の税務課、または所轄税務署に連絡を入れて原因を特定しなければなりません。