生活の質を最も激しく左右するのが「音」の問題です。賃貸市場において最もトラブル発生頻度が高いのが、賃貸の木造アパートにおける騒音トラブルの真相です。木造建築は通気性に優れ建築コストを抑えられる反面、壁や床の遮音性能(D値・L値)が低く、隣室のテレビ音、電話の話し声、さらにはコンセントの抜き差し音まで筒抜けになる現場が少なくありません。
一方、ネット上では「鉄骨造なら安心」という言説も見受けられますが、ここに危険な罠があります。鉄骨造賃貸の防音性に関するネットの反応を追跡すると、「木造と大差なかった」「上階の足音が雷のように響く」といった失望の声が散見されます。その理由は、鉄骨造には「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の2種類が存在するためです。
アパートで多用される軽量鉄骨造(厚さ6mm未満の鋼材)は、骨組みが鉄骨であるだけで、部屋間の間仕切り壁や床の構造は木造とほぼ同等です。音が骨組みを伝って振動する「個体伝播音」を遮断しにくいため、過度な期待は禁物です。防音性を最優先にするのであれば、コンクリート自体の質量で音を跳ね返すRC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の選択が基本線となります。