『じゃりン子チエ』全エピソードの中でも、ファンが口を揃えて「絶対に涙なしには見られない泣ける回」として挙げるのが、小学校のマラソン大会を描いたエピソードです。テレビアニメ第1期における第15話「まわり道したマラソン」(1982年放送)は、40年以上が経過した2026年現在でも、アニメファンの間で語り草となっています。
運動が大の苦手で、走るスピードも決して速くないヒラメちゃん。周囲から「どうせビリに決まっている」と見なされるなか、彼女は途中で足を止めず、ひたむきに走り続けます。しかし、不器用さゆえに途中でコースを見失い、大幅な回り道をして迷子になってしまうというアクシデントに見舞われます。
誰もがリタイアを覚悟したその時、ヒラメちゃんを迎えに行ったのは他ならぬ親友のチエでした。ズルをして勝つことよりも、弱音を吐いて途中で投げ出すことよりも、泥だらけになって一歩一歩前へ進むヒラメちゃん。そんな彼女に寄り添い、怒鳴るでもなく見下すでもなく、ただ同じ歩幅で並走するチエの姿は、視聴者の心を激しく揺さぶりました。
最終的に制限時間を大幅に過ぎ、校庭に誰もいなくなった夕暮れのゴールへ辿り着いたヒラメちゃんを迎えたのは、担任の花井センセや家族、そして仲間たちの温かな眼差しでした。効率や勝敗ばかりが重視される現代社会において、このじゃりン子チエ ヒラメ マラソンのエピソードは、「自分のペースで最後までやり遂げる尊さ」を教えてくれる珠玉の感動エピソードとして語り継がれています。