日本酒の規格において、特定名称酒である「本醸造酒」の法定精米歩合は60%以下と定められています。しかし、八海醸造の手掛ける「八海山 特別本醸造」は、麹米・掛米ともに精米歩合55%まで贅沢に削り落としています。これは法律上、上位クラスである「吟醸酒」と名乗っても何ら差し支えない精米基準です。
八海醸造の酒造りにおける根底の哲学は、「大吟醸のような最高峰の酒造りで培った高度な技術を、すべての日常酒に注ぎ込む」という点にあります。霊峰・八海山の伏流水である極軟水「雷電様の清水」を用い、厳冬の南魚沼の気候を活かした低温長期発酵を徹底。米の外側にあるタンパク質や脂質など、雑味の原因となる成分を徹底的に排除した上で、低温でじっくりと醸されます。
醸造用アルコールの添加についても誤解されがちですが、本醸造におけるアル添はコスト削減ではなく、香りを引き立たせ、後口の「キレ」を極限まで研ぎ澄ますための伝統的かつ高度な技術的処置です。雑味を削ぎ落としたクリアな酒質に、アル添由来のシャープな引き際が加わることで、何杯飲んでも飲み飽きしない透明感あふれる味わいが完成します。