鼻の奥と喉の境目に位置する上咽頭は、呼吸によって吸い込まれた異物が直接衝突するデリケートな部位です。風邪をひいた後にウイルスが排除された後も、上咽頭の粘膜深部でくすぶり続ける微小な炎症こそが、慢性上咽頭炎の本体です。
この炎症が続くと、粘膜の絨毛機能が低下して粘り気のある分泌物が過剰に作られます。これが喉の奥へ垂れ下がることで頑固な後鼻漏を引き起こし、痰を切るための咳払いや喉のつっかえ感が日常化してしまうのです。一般的な視診では見落とされやすく、内視鏡(電子スコープ)で上咽頭を観察して初めてうっ血や擦過時の出血が確認されるケースが多々あります。