検索窓に「銀行 会館 三井 住友 銀行」と打ち込む多くの読者が最も気になっているのは、「大手町を象徴していたあのクラシックな銀行会館と、メガバンクである三井住友銀行は一体どんな利害関係で結ばれているのか」という点に尽きます。
結論から言えば、両者の関係は「敷地を巡る買収・被買収」といった単純な上下関係ではありません。日本の金融業界を束ねる一般社団法人全国銀行協会(全銀協)と、メガバンクの中核を担う株式会社三井住友銀行が、手を取り合ってひとつの超高層ビルを共創した「共同地権者・パートナーシップ」の関係です。
もともとこの地(東京都千代田区大手町1丁目3番2号)には、1916年(大正5年)に竣工した東京銀行集会所がありました。日本資本主義の父と称される渋沢栄一らが設立に関わったこの建物は、赤レンガと石造りが織りなす荘厳な近代建築として、日本の金融システムの発展を黎明期から見守り続けてきた歴史的ランドマークでした。
その後、1993年に大正時代の外壁ファサードを二面保存する先駆的な工法で「東京銀行協会ビル(銀行会館)」へと高層建て替えが行われました。しかし、時代の奔流はさらなる変革を要求します。2000年代以降に本格化した大手町地区の連鎖型都市再生プロジェクトにおいて、三井住友銀行本店ビル(旧JFEビル跡地に建設された本店ビル)の拡張構想と、老朽化・防災機能の更新を迫られていた全銀協の意図が合致。こうして旧東京銀行協会ビルの敷地に、三井住友銀行の東館を建設する巨大プロジェクトが始動したのです。