選手権準優勝以降の近江高校サッカー部メンバーの戦いぶりを取材すると、単なる「フロック(偶然の産物)」ではなかったことが明白になります。現場関係者が口を揃えるのは、選手個々の戦術的自立心です。ピッチ上の状況に応じて自分たちでフォーメーションやプレス開始ラインを柔軟に変更する判断力が養われており、これが強豪私立との連戦で競り勝つ底力となっています。
一方、ファンが最も気にかける野洲高校サッカー部現在の姿には、公立校ならではの葛藤と意地が交錯しています。2005年度の全国制覇を知る世代から見れば、全国大会の舞台から遠ざかっている現状に歯がゆさを感じる声も少なくありません。しかし、現場の指導陣や選手たちの意識は決して過去の栄光に縛られてはいません。
「止めて・蹴る・運ぶ」という野洲伝統の極めて高い技術ベースに、現代フットボールに必須とされるネガティブトランジション(ボール奪取後の即時奪還)の強度をいかに上乗せするかという挑戦が続いています。ネットコミュニティやOBの証言では「公立の入試制度や施設環境の制約がある中でも、野洲のサッカーに憧れて門を叩くテクニシャンは後を絶たない」と評されており、個のタレント力に関しては依然として県内屈指の煌めきを保っています。