結論から整理すると、帯状疱疹を発症している患者から、周囲の健康な大人へ「帯状疱疹」という病名そのものがうつる現象は起きません。しかし、これは「誰にも一切感染しない」という意味ではありません。病原体である水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は、水痘(水ぼうそう)にかかったことがなく、水痘ワクチンを一度も接種していない人に対して、「水ぼうそう」として感染・発症させます。
臨床現場において、患者本人が「急に発疹が出た」と気づく数日前から、片側の神経に沿って帯状疱疹初期症状チクチク痛い違和感やピリピリとした神経痛が現れる特徴があります。この段階で体内のウイルスは急速に増殖しており、数日遅れて神経線維を伝って皮膚表面へと到達し、帯状の赤い斑点や水ぶくれを形成します。
感染の危険度を測る指標である帯状疱疹うつる確率は、家庭内二次感染において約15〜20%と推計されています。水ぼうそう患者からの家庭内感染率が80%を超えることと比較すれば感染力そのものは限定的ですが、ウイルスに対する抗体を全く持たない無防備な人が身近にいる場合、決して無視できない高い数値です。ウイルスに曝露した場合の水痘帯状疱疹ウイルス潜伏期間は約10〜21日間(平均14日前後)に及び、接触から2週間ほど経過したのちに、全身の発疹や発熱を伴う水ぼうそうとして突然発症することになります。