実際に現地を取材し、各種旅行コミュニティやSNSに寄せられた利用者の一次情報を分析すると、数字のスペックだけでは見えてこないリアルな現場の利便性と落とし穴が浮かび上がってきます。
高速船ルートの現場で最も高く評価されているのは、空港到着時の動線の短さです。セントレアの港「津エアポートライン乗降場」から旅客ターミナルまでは、屋根付きの連絡通路(動く歩道完備)で直結しており、雨天でも傘を差す必要がありません。利用者の手記には以下のような実感のこもった声が記録されています。
「名古屋駅での巨大なダンジョンを巨大なキャリーケースを引きずって乗り換える苦行を思えば、津駅でバスに10分揺られて船に乗るだけのほうが精神的に圧倒的に楽だった。船窓から見える伊勢湾の景色も素晴らしく、旅の余韻に浸れる」(30代男性・東京都在住)
しかし、絶賛の声ばかりではありません。現場観察で見落とされがちなのが「津駅でのバス乗り換え時間」です。近鉄の特急到着時刻と津なぎさまち行きバスの発車時刻は基本的に連携が図られているものの、列車の遅延や駅構内の移動に手間取ると、バスを1本逃すリスクがあります。バスの便数は船の運航に合わせているため、1本逃すと次の船まで大幅な足止めを食らう構造になっています。「接続時間が7分しかなく、改札からバス停まで猛ダッシュする羽目になった」という緊迫した証言も散見され、事前の駅構内マップの確認が必須であることが伺えます。