六平直政を語る上で欠かせないのが、その見た目とのギャップが際立つ高学歴と芸術的バックボーンです。東京都中野区に生まれた直政は、武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業後、同大学の大学院造形研究科彫刻専攻まで修了しています。
学生時代は石彫や木彫に没頭し、権威ある美術展「国展」で入選を果たすなど、プロの彫刻家として嘱望されるほどの実力者でした。現在でもその造形センスは高く評価されており、立体造形への深い造詣が役作りの空間把握や身体表現に直結しています。
美術の道を志す一方で演劇の世界に魅了された直政は、若い頃に唐十郎率いる伝説のアングラ劇団「状況劇場」の門を叩きます。その後、金守珍らと共に「新宿梁山泊」の旗揚げに参加。過酷なテント芝居の現場で身体を張った過激な演技を叩き込み、唯一無二の存在感を培っていきました。彫刻で培った緻密な観察眼と、アングラ演劇で鍛え上げた野性味が融合した稀有な経歴こそが、俳優・六平直政の強固な基盤となっています。