「腹の上で息絶える」という文字通りの俗称を持つ腹上死ですが、医学的には性行為中の突然死(Coital Death)と分類されます。行為の最中だけでなく、事後の休息中やシャワーを浴びている間に意識を失い、そのまま帰らぬ人となるケースもこれに含まれます。
東京都監察医務院などの法医学剖検データを紐解くと、異状死として検視・解剖に回される事例の中で、性行為に関連した突然死は毎年一定の割合で確実に計上されています。決してフィクションの出来事ではなく、誰の身にも起こり得る極めてリアルな救急疾患なのです。
多くの事例では、本人に自覚症状が乏しかった冠動脈の狭窄や脳動脈瘤が基礎疾患として潜んでいます。そこに性交時の生理的負荷が加わることで、破綻へと一気に加速してしまう点が腹上死の真相と実態にほかなりません。