俳優としての津川雅彦さんの真骨頂は、その圧倒的な役作りの深さにあります。中でもNHK大河ドラマにおける「徳川家康」役は、津川さんの代名詞として語り継がれています。
1987年の『独眼竜政宗』、2000年の『葵 徳川三代』などで演じた家康は、単なる老獪な武将にとどまらず、人間味あふれる狡猾さと巨大な器を併せ持つ唯一無二の像を作り上げました。「家康を演じさせたら津川雅彦の右に出る者はいない」と評されるほどの完成度を誇ります。
映画界においても、伊丹十三監督の作品群で強烈な光を放ちました。『マルサの女』での税務署査察官の花村役や、『スーパーの女』での専務役など、緻密で人間味あふれる芝居はブルーリボン賞をはじめとする数々の映画賞を受賞。善人から冷酷な黒幕まで、変幻自在に演じ分ける名優として日本映画史に不滅の足跡を残しました。