インターネット上で芸能情報やゴシップを追う際、情報の変容プロセスを理解しておくことは極めて重要です。なぜはじめしゃちょーの過去の「浮気」が、数年を経て「不倫」という過激な言葉にすり替わってしまったのでしょうか。
メディア分析の観点から見ると、そこには3つの構造的なバイアスが存在します。
第1に、検索サジェストのアルゴリズム汚染です。ユーザーが「YouTuber 不倫」「有名人 不倫」といった語句で検索を繰り返す中で、知名度の高いはじめしゃちょーの名前が関連ワードとして紐付けられ、機械的に「はじめしゃちょー 不倫」という複合キーワードが生成されてしまいました。
第2に、他クリエイターのスキャンダルとの記憶の混同です。近年、登録者数百万人規模の著名YouTuberグループやインフルエンサーによる実際の不倫・離婚問題が相次いで報道されました。消費者の記憶の中で「YouTuberの異性トラブル」という大枠の情報が圧縮され、はじめしゃちょーの2017年の事件と混ざり合って定着した側面が否めません。
第3に、「二股・三股」という言葉のインパクトです。未婚者同士の浮気であっても、当時はトップクリエイターの多重交際としてワイドショーを賑わせました。このスキャンダルの規模感が、本来は既婚者に適用されるはずの「不倫」という重みのある言葉で記憶を上書きさせた要因と言えます。