映画『サマーウォーズ』を観て陣内家に対して「気持ち悪い」と嫌悪感を抱く人が後を絶たない背景には、個人スペースを土足で踏みにじる過度なお節介と同調圧力があります。
劇中で描かれる陣内家は、長野県上田市に根を張る旧家であり、90歳を迎える当主・陣内栄(栄おばあちゃん)を頂点とした完全なピラミッド社会です。親戚一同が一堂に会し、大広間で酒盛りをし、個人のプライベートなど一切存在しない空間が広がっています。
このような親戚付き合いの鬱陶しさをリアルに体験してきた視聴者ほど、「実家の嫌な記憶がフラッシュバックする」「あの内輪ノリに巻き込まれたら逃げ場がない」と生理的な嫌悪感を覚えます。家族という共同体を絶対的正義とし、異論を許さない陣内家の空気感そのものが、個人の自由を尊ぶ層にとっては息苦しい暴力として映るわけです。