IHで鉄瓶を正しく加熱させるための最大のカギは、底面の「寸法」と「平滑さ」、そして「内部構造」にある。まず押さえるべきは「底径(そこけい)」だ。多くの電磁調理器には安全センサーが搭載されており、底の直径が12cm未満の小ぶりな容器は検知されない場合が多い。せっかく手に入れた鉄瓶も、センサーが認識しなければスイッチすら入らないのだ。
次に重要なのが底の形状である。昔ながらの鉄瓶の中には、底の中央がくぼんでいたり、糸底と呼ばれる脚状の突起が周りを取り囲んでいたりするものがある。IHはトッププレートに密着した金属に渦電流を発生させて発熱させるため、底が歪んでいたり隙間があったりすると十分な熱が伝わらない。IH対応をうたうモデルは、底面が完全にフラット加工されている。
さらに見落としてはならないのが「内部塗装」の有無だ。内部にホーロー加工が施された鉄瓶風のケトルは手入れが楽な反面、鉄分が水に溶け出さない。健康面での恩恵を期待して選ぶなら、伝統的な焼付仕上げや素焼きで作られた純粋な鉄製のものを選ぶのが鉄則となる。