ネット上の掲示板やSNSでは時折、「横浜ほどの巨大ターミナルなのに、郊外にあるような超大型の100均が駅前にない」という不満や誤解が散見されます。しかし、この言説には都市計画と商業テナント戦略の裏事情が隠されています。
横浜駅直近の商業施設は、日本国内でもトップクラスの賃料坪単価を誇る一等地です。広大な平屋型店舗を展開する郊外ロードサイド店舗とは異なり、都心ターミナル型店舗では「1坪あたりの売上効率(坪効率)」を極限まで高める必要があります。そのため、以前は利益率の低い100円ショップが駅前に超大型店舗を構えることは構造上困難でした。
この限界を打ち破ったのが、大創産業による「Standard Products」をはじめとする高単価ハイブリッド業態の開発です。300円、500円、1,000円といった価格帯の高品質アイテムを織り交ぜることで客単価を引き上げ、横浜駅前の一等地に広大な売り場面積を維持することを可能にしました。つまり、「駅前に大型100均がない」のではなく、「都市型にアップデートされた次世代の大型複合店として駅前に君臨している」というのが現在の正確な構図です。
また、純粋な100円均一アイテムのみで広大な売り場を求める層が、横浜駅からわずか徒歩圏内(またはバス・電車ですぐ)の「オーケーみなとみらい店内のDAISO」や「MARK IS みなとみらいのSeria」に分散していることも、駅直結エリアの過度な大型化を抑えるバランサーとして機能しています。